ウミガラス巣内カメラ2019の映像

ウミガラス(オロロン鳥)は、日本では唯一天売島でのみ繁殖しています。それも現在、繁殖しているのは赤岩の対岸の崖にある窪み1か所のみです。環境省羽幌自然保護官事務所では、ウミガラスの巣内にカメラを設置し、飛来数や繁殖状況などを撮影し保護活動に役立てています。

今シーズンも巣内カメラを設置し、ウミガラスのヒナが巣立つ7月下旬~8月上旬まで撮影を行っています。今年も4台のカメラを設置し、巣内全体を撮影しています。

巣内の様子を随時紹介していきますので、ぜひご覧ください。巣内カメラの映像を通じて、羽幌のシンボルであるウミガラスをもっと身近に感じていただければと思います。


今シーズンのウミガラスの繁殖結果


今シーズンの天売島でのウミガラスの繁殖結果がまとまりましたので報告いたします。

今年は、海上で62羽の飛来を確認し、23羽のヒナの巣立ちを確認できました。20羽を超える巣立ちが確認できたのは過去20年間の調査で初めてで、9年連続の繁殖成功となりました。

今年は6月25日から自動撮影カメラに不具合が生じたため、一部把握できていないエリアがありました。そのため、繁殖地内の全てのヒナの数、巣立ち雛数を把握することはできませんでしたが、巣立ったヒナの数から考えると順調に繁殖することができたと思われます。

ただし安定して繁殖できる数にはまだまだ少ないため、今後より多くのヒナが巣立つためには、飛来数をさらに増やしていく事が重要となってくると思われます。そのため2018年は繁殖シーズン終了後の8月および2019年の繁殖シーズン前の4月に、誘引のためデコイの再設置・追加を行いました。

来シーズン以降もデコイの再設置・追加などの誘引の効果的な方法や捕食者対策を検討し継続的に取り組んでいきたいと思います!



ウミガラスのヒナが無事に巣立っています(8/5)


6月に入りウミガラスの卵の数は徐々に増えていき、6月24日には14個の卵を確認することができました。そして、かわいいヒナの姿も1羽目を確認することができました。

6月24日以降は落石によるケーブルの断線が原因で2週間カメラ映像を録画することができませんでしたが、技術者の方にきていただき何とか無事にカメラも復旧しました。

7月には26個の卵と24羽のヒナを確認することができ、順調に巣立っているようです!8月5日の時点ではヒナはほとんど巣立ったようで、巣棚には最後の1羽が残っている状況でした。

ヒナ数と巣立ち雛数については現在も映像解析中です。
また、今年度の繁殖状況については後日報告します。


ウミガラスの産卵を確認しています(6/3)


去年より2日早い、5月21日に最初の卵を確認できました!最初に卵を産んだ個体は、去年と一昨年に最初に産卵した個体と同じでした。

ですが、このつがいは2年連続で子育てに失敗しているので、今年こそはうまく巣立ってくれることを期待しています!

5月21日に最初の卵を確認して以降、徐々に卵の数が増えてきており、6月3日の時点で7個の卵を確認できました。

これからオスとメスが交替で35日ほど抱卵します。順調にいけば6月下旬~7月上旬頃には最初のヒナが確認できると思います。

※ただ今、動画編集機材の不具合により、動画から切り出した画像を公開しています。動画の公開は、今しばらくお待ちください。

 

55羽を越えるウミガラスを確認しました(4/26)


今年は4月24日にビデオカメラを設置しモニタリングを開始しました。

近年は徐々に飛来数が増えてきており、今年は4月26日の時点で、繁殖巣棚内に55羽を超えるウミガラスが出入りしていることが確認されました。

またウミガラスは、産卵前の時期は巣棚での滞在時間が短く、ほとんどの時間を海で過ごし、たまに群れになって海面に浮いていることがあります。今年は海上では61羽のウミガラスがかたまって浮いていたことも確認されました。

※ただ今、動画編集機材の不具合により、動画から切り出した画像を公開しています。動画の公開は、今しばらくお待ちください。