ウミガラス巣内カメラ2018の映像

ウミガラス(オロロン鳥)は、日本では唯一天売島でのみ繁殖しています。それも現在、繁殖しているのは赤岩の対岸の崖にある窪み1か所のみです。環境省羽幌自然保護官事務所では、ウミガラスの巣内にカメラを設置し、飛来数や繁殖状況などを撮影し保護活動に役立てています。

今シーズンも巣内カメラを設置し、ウミガラスのヒナが巣立つ7月下旬~8月上旬まで撮影を行っています。今年も4台のカメラを設置し、巣内全体を撮影しています。

巣内の様子を随時紹介していきますので、ぜひご覧ください。巣内カメラの映像を通じて、羽幌のシンボルであるウミガラスをもっと身近に感じていただければと思います。


今シーズンのウミガラスの繁殖結果(9/19)


今シーズンの天売島でのウミガラスの繁殖結果がまとまりましたので報告いたします。

今年は、18羽のヒナの巣立ちが確認され、8年連続の巣立ち成功となり、5年連続で10羽以上のヒナが巣立ちました。
また、海上で58羽の飛来を確認し、天売島で50羽を超えるウミガラスの飛来が確認されたのは、過去20年の調査で最多となりました。

今年は7月4日から自動撮影カメラに不具合が生じたため、一部把握できていないエリアがありました。そのため、繁殖地内の全てのヒナの数、巣立ち雛数を把握することはできませんでしたが、巣立ったヒナの数から考えると順調に繁殖することができたと思われます。

ただし安定して繁殖できる数にはまだまだ少ないため、今後より多くのヒナが巣立つためには、飛来数をさらに増やしていく事が重要となってくると思われます。そのためには、デコイの再設置・追加などの効果的な誘引対策を検討することが重要だと考えています。そのため今年は繁殖シーズン終了後の8月に、昨年から計画を立て検討していたデコイの再設置・追加を行いました。(その様子はまた近々アップしたいと思います。)

来シーズン以降も捕食者対策やデコイの再設置・追加などの誘因の効果的な方法を検討し継続的に取り組んでいきたいと思います!



今年のウミガラスの繁殖も無事に終了しました(7/31)


今年は、7月16日に最初の巣立ちを確認することができ、7月31日までに18羽のヒナの巣立ちを確認できました!
(※今後の映像解析により数値は変わる場合があります。)
ヒナの巣立ちが無事に終わり一安心です。



ウミガラスのヒナ産まれています(7/15)


今年は5月23日に最初の卵を確認し、その後順調に卵の数が増え25個の卵を確認することができています。

そして、6月25日には最初のヒナの姿を確認することができました!!
巣棚内に設置しているカメラ映像には、親鳥がヒナのためにせっせと餌を運ぶ様子などが映っています。

7月になると徐々にヒナの数も増え、7月15日の時点で14羽のヒナを確認することができました。
(※今年は途中で機材のトラブルが発生し、残念ながら巣棚の左半分しか録画することができなくなりました。そのため、巣棚の右半分の孵化数は把握できていません。)

孵化2週間後には、灰色だったヒナも白黒になり、かわいい姿を見せてくれます。
そして、3週齢になると巣棚内をウロウロと動き回ったり、羽ばたく練習を始めます。
羽ばたく練習を始めると巣立ちも間近です!

順調であれば、7月中旬頃から巣立ちが始まっていると思われます。
このまま無事に成長して巣立ってくれるといいですね♪


ウミガラスの卵がつぎつぎに産まれています(6/24)


5月23日に最初の卵を確認し、その後順調に卵の数が増えています。

6月24日の時点では、去年より6個も多い24個の卵を確認することができました。
ここ数年、徐々につがい数が増えてきていましたが、まさか今年6つがいも増えるとは驚きです!! 

ウミガラスは4~5歳位から繁殖を始めるため、5年位前に巣立った個体が繁殖できる年齢になり、徐々に天売島に戻ってきているのだと思われます。

そして、今年はビデオ映像に産卵シーンが映っていました。20時前の夜間なので、映像がわかりにくいかもしれませんが、ぜひご覧ください!!

ウミガラスは産卵後、オスとメスが交替で約35日間抱卵します。
そのため、孵化は早い個体で6月下旬頃から始まっていると思われます。

次回はヒナの様子を紹介したいと思います!



ウミガラスの卵を確認しました(6/7)


いよいよ6月となり、天売島も本格的に海鳥の繁殖シーズンを迎えています!

ケイマフリやウトウなどの海鳥は抱卵・育雛時期に入り、ウミネコは今年も黒崎海岸で大きなコロニーを作り営巣しているためとても賑やかです!

そして、ウミガラスも去年より5日遅い5月23日に初めて2つの卵を確認することができ、5月26日には7個の卵を確認することができました。

抱卵中の卵を確認することはなかなか難しいですが、転卵する瞬間や抱卵を交代するときなどにチラッと見ることができます。
抱卵中の様子をぜひご覧ください。

 

ウミガラスが今年も戻ってきました(5/24)


3月下旬(3月24日)に、ウミガラスの繁殖巣棚近くの赤岩に音声装置を設置し、4月下旬(4月24日)に繁殖の様子をモニタリングするカメラを設置しました。音声装置は録音されたウミガラスの鳴き声を流し、近くにやってきたウミガラスを誘引する目的で設置しています。 

4月の天売島はまだまだ海が荒れる日もありますが、今年は天気もよくスムーズに作業を進めることができ、無事に4台のカメラを設置することができました。ただ、今年も録音マイクの調子が悪く、音声の録音はできなくなりました。

現在のところ、繁殖巣棚では50羽を超えるウミガラスが確認されており、海上では60羽弱が浮いていることが確認されました。

まだ産卵は確認されていませんが、繁殖が順調に進み例年より多いウミガラスのヒナが誕生することを期待しています。今後が楽しみです!