ウミガラス巣内カメラ2016の映像

ウミガラス(オロロン鳥)の日本で唯一の繁殖地である天売島。それも現在、繁殖しているのは赤岩の対岸の崖のくぼみ一箇所のみです。環境省羽幌自然保護官事務所では、そのウミガラスの巣内にカメラを設置し、飛来数や繁殖状況などを撮影し保護活動に役立てています。

今シーズンも巣内カメラを設置し、ウミガラスのヒナが巣立つ7月下旬~8月上旬まで撮影を行っています。昨年は冬期間保管しておいたケーブルが落石などにより破損しており、カメラを2台しか設置することができませんでしたが、今年は全て新しいケーブルに交換したので、無事に当初の予定通り4台のカメラを設置することができました。また、夜でも撮影可能な赤外線照明や巣内の音声を録音するマイクなども無事に設置できました。

巣内の様子を随時、紹介していますので、是非ご覧ください。巣内カメラの映像を通じて、羽幌のシンボルであるウミガラスをもっと身近に感じて頂ければと思います。


今シーズンのウミガラスの繁殖結果(8/22)

今シーズンの天売島でのウミガラスの繁殖結果がまとまりました。
・飛来数 :35羽
・つがい数:16つがい
・ヒナ数 :16羽
・巣立ち数:13羽
つがい数、ヒナ数、巣立ち数ともに過去20年の調査で最多となりました。今年はカメラ位置を変更するなどしたことから、一概に数が増えたとは言えないところはありますが、天売島に繁殖に来たウミガラスは、順調に繁殖することができたと言えるのでは、と思います。
ただ、安定的に繁殖できる数にはまだまだ少なく、来シーズンは今までの取り組みを継続するとともに、さらに多くのウミガラスが天売島にやってきて安心して繁殖ができるよう、様々な取り組みを行っていきたいと思います。





今年のウミガラスの繁殖が終了しました!(7/20)


ウミガラスも最後のヒナが7月20日に巣立ちし、今年の繁殖が終了しました。現在、撮影した映像から詳細な繁殖状況を確認中ですが、おそらく10羽を超えるヒナの巣立ちがあったものと思われます。

今シーズンは天売島周辺の小魚が豊富だったせいか、例年と比べ全体的に早い巣立ちとなりました。飛来数やつがい数も例年より多い結果になりそうですが、ヒナがハシブトガラスに捕食された様子も確認されており、来シーズン以降も継続的な取り組みが必要だと考えています。また今シーズンの繁殖成績をとりまとめ、ご紹介したいと思います。


ウミガラスのヒナが巣立っています!(7/11)


7月も後半を迎え、ウミガラスのヒナが次々に巣立っています。従来の調査では、ヒナが産まれてから20日前後で巣立っています。巣立ちは夕方から夜にかけての時間に親と一緒に高さ25mの崖の上から海上に飛び降りて、巣立ちします。

巣立つ直前の映像をご覧ください。ヒナがはばたきの練習をしたり、巣立ちを怖がっているのか壁のほうに戻ったりしています。また、巣立つ直前には親が「行こう!」と声を出しているようにも見えます(右下の時刻では19:19:07頃)。

今のところ多くのヒナが順調に巣立っているようで、巣立ちの数などを確認し、また紹介いたします。


ウミガラスのヒナ成長中!(7/5)


7月5日現在、産まれたウミガラスのヒナは更に増え、12羽のヒナを確認しています。
ヒナへの餌運びも順調に行われているようで、かなり大きくなったヒナもおり、羽ばたく練習をしている様子なども見られます。今後、近いうちに巣立ちがはじまるものと思われます。
ただ、ヒナによっては片親しか確認できないものもあり(片親が餌をとりに行くときはヒナ1羽で待っています)、ハシブトガラスなどに襲われないか少し心配です。無事に巣立ってくれることを願います。


ウミガラスのヒナ産まれています!(6/25)


6月25日現在、ウミガラスの繁殖地内ではたくさんのヒナが産まれており、今のところ、9羽のヒナを確認しています。まだ抱卵中のつがいもあり、これから更にヒナが増えることが期待されます。

巣内はオロロ~ンという鳴き声の他に、ヒナの「ピィーピィー」という鳴き声も確認することができ、にぎやかです。順調にいけば7月中旬頃からは巣立ちがはじまる予定で、今後無事にヒナたちが成長することを願います!

シーン1:画面中央部分
シーン2:右から2羽目
シーン3:画面中央部分
シーン4:画面右側部分(大きいヒナです)


ウミガラスの産卵、順調です(6/5)


6月5日現在でウミガラスの繁殖地内には、確認した卵や抱卵姿勢(卵を抱く姿勢)を含め、合計14個のウミガラスの卵があると思われます。このまま順調にいけば今月下旬ころにはヒナの姿が見られそうです。

シーン1:画面左中央付近にエメラルドグリーンで模様の入った卵
シーン2:画面右上付近の一番右で抱卵交代の際に白色で模様の入った卵
シーン3:一番左の個体で、白色で模様のない卵


10個の卵を確認しました!(5/29)


ウミガラスは産卵シーズンも迎えており、5月29日現在で10個の卵を確認しています。ほかにも抱卵している個体も見られる他、これから産卵する個体も含め、今後さらに多くの卵を確認できると思われます。

抱卵中の卵はなかなか確認することは難しいですが、抱卵交代や毛づくろいをするときなどにチラッと見ることができます。個体によって色や模様が異なり、とても興味深いです。


30羽を越えるオロロン鳥を確認中!(5/1)


5月1日には最大で30羽を超えるウミガラスを確認できました!
昨年は27羽でしたので、今年は昨年より多くのウミガラスを確認しています。毎年5月上旬頃にその年の最大飛来数が確認されていますので、映像を引き続き分析することによって、さらに多くのウミガラスの飛来を確認できるかもしれません。
多くのウミガラスがいる巣内はにぎやかですね!


ウミガラスの巣内映像公開スタート(4/24)


20数羽のウミガラスが天売島に飛来していると思われます。巣内はとてもにぎやかです。名前の由来であるオロローンという鳴き声は聞こえるでしょうか??
(4つのカメラのうち、1つのみ音声を録音できます)