ウミガラス保護増殖事業

 ウミガラスは天売島が国内唯一の繁殖地であり、島の断崖にある岩棚などで集団繁殖していますが、近年は生息環境などの悪化により生息個体数が急激に減少しています。
 ウミガラスの生息状況の調査を行いながら、繁殖地への誘引や捕食者であるハシブトガラスの捕獲を行い、ウミガラスが自然な状態で安定的に生息できることを目指しています。

■デコイと音声装置による誘引

 ウミガラスは大きな群れ(コロニー)を作って繁殖する習性があります。ウミガラスを誘引するために、天売島では1990年代からデコイ(模型)を設置してきました。デコイは障害物となり、捕食者からヒナを守りやすくする効果も期待できます。また、デコイ設置場所を開けた場所から、捕食者が進入しにくい狭い岩棚に移しました。

 2006年からウミガラスの声が入った大音量の音声装置を設置しています。デコイと組み合わせることにより、高い誘引効果が得られています。

■普及啓発の推進

 ウミガラスの激減には、さまざまな人為的影響が指摘されており、生息地域での経済活動との共存などの課題を解決していく必要があります。そのため、地域住民をはじめとする人々への報告会やホームページによる情報発信等を通して、問題点の共有や保護活動の展開を図っています。

■もっとくわしく!

 ウミガラス保護増殖事業に関する取り組みや、天売島における海鳥たちの情報について、【Facebookページ】で随時掲載しています。
 興味のある方は、お気軽に海鳥センターまでお問い合わせください。

【北海道海鳥センター】
  〒078-4116 苫前郡羽幌町北6条1丁目
  TEL:0164-69-2080
  FAX:0164-69-2090
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