自然な数のバランスが今、くずれ始めている

 多くの海鳥は繁殖のときに陸上で生活しますが、おもに離島や断崖に巣をつくることで、捕食者から逃れてきました。
 オオセグロカモメは、ウミネコやウミガラスの卵やヒナを襲って食べますが、自然の状態では、オオセグロカモメの数はそれほど多くありませんでした。

 ところが天売島では今、オオセグロカモメやハシブトガラス、さらに、野生化したネコやドブネズミの数が増え、他の海鳥を滅ぼす勢いなのです。その原因のひとつは、人間が出す生ゴミにあります。雑食性のオオセグロカモメやハシブトガラス、ネコやドブネズミは餌に不自由することなく数が増え、その結果、天売島の生き物の数のバランスがくずれ始めたのです。