体のつくりの多様性

■くちばしの形

 海鳥のくちばしの形は、主食とする餌の種類によって変化します。餌はプランクトン、魚、軟体動物など、さまざまです。また、くちばしは、求愛やコミュニケーションの機能を備えることもあります。

■足の位置

 水中での運動能力にすぐれたペンギン類では、胸筋と胸骨が発達しているため、足の位置は体のはしになりますが、陸上で過ごす時間が多い海鳥では、2本の足でバランスよく歩けるよう、足は体の重心近くについています。

■足ひれ

 海鳥が交互に足をかいて水面上を移動するとき、足ひれが役立ちます。ウ類、カイツブリ類、アビ類では、足ひれによって潜水中の推進力が生まれます。また足ひれは水中で方向転換する時、かじの役目を果たしています。

■目のしくみ(油球)

 鳥の目の網膜(見た物の像がうつる膜)には、錐状体と呼ばれる色を感じる視細胞があります。その中に油球(ゆきゅう)という器官があり、フィルターの役目をしています。この油球には、赤、オレンジ、黄、うす緑色などがあり、それぞれ違った役目をします。

 例えば、ウ類の油球はほとんどが、うす緑色です。水中でも小魚を見分ける能力と、渡り鳥として飛行するときには、周辺の緑色を吸収して仲間を見分けやすくするという働きがあります。

 一方、カモメやウミネコの油球には、赤やオレンジ色が多く、水面のキラキラ反射する光を防ぐ働きがあり、水面からでも魚を見分けやすいような仕組みになっています。